Point
東京都足立区に立地する花畑団地では、団地の豊かな環境を活かした再生プロジェクトが進められました。一連のプロジェクトでは、団地再生に２つの特異な手法を取り入れられ、新規居住者ニーズや整備手法が並行して実践されています。そのなかで、集会所の建替計画は、地元大工の協力を得ながら豊富な魚沼市から提供された天然杉を活用した豊かな内部空間を実現しました。杉板は羽目板、木ルーバー、リブパネルの３種の材に加工し、同じ材質でありながらも多彩な表情を生み出しています。特に天井と壁をこれらの材で覆った集会室の大空間は、木の存在感を十分に感じながらも大きな開口やハイサイドライトを巧みに組み合わせた木漏れ日が溢れるような場所になりました。このような場所を起点にして、近隣住民や新しい居住者との交流や地域とのつながりが生まれており、今日的に望むべき団地再生のケーススタディとなっています。