Point
竣工後40年が経過する王子五丁目団地は、更新されていく周辺景観から取り残された存在感を放っていました。そこで、大規模な外壁の塗り替えにより、周辺景観との調和や今日的なデザインへ刷新するための外壁修繕と共用部改修という計画です。長大なスケール感や基調色の違いがまちなみとのミスマッチを生み出していたため、YR系を基調とした3種類の色彩計画を街区ごとに設定し、各街区に個性を与えながらも全体的に統一感が生まれるように計画しました。同時に、豊かな屋外空間との連続性を意識し、エントランスやピロティ周りに門型のフレームやアルミパネル、木調ルーバーを多用した清潔感がありあたたかな雰囲気の玄関口を演出しています。ポイントとして、フォントやキャラクターカラーを強調するサインを散りばめ、居住者の日常に彩りを加えられるような共用部を計画しました。都市景観における大規模な面的な更新は、予想以上にいい意味でまちなみに変化を与えることができるという団地改修の新たな可能性を示唆する計画になっています。