Point
都市再生機構による第2期建替事業にあたる本計画は、広大な豊四季台団地の北側の幹線道路に面する場所に立地します。そこで、周辺景観を牽引する重要な要素となる2棟の住棟は、フレームを意識した白い外壁とガラス手摺で構成するシンプルでシャープなデザインを施しました。また、敷地外周が全て道路もしくは団地内通路に面しているため、開放的な中庭や通り抜けのピロティやキャノピーでつないだ渡り廊下やロータリー型の車寄せを設け、開放的な屋外空間との連続性を高めています。そうすることで歩車分離を実現し、安全な豊四季台団地全体を回遊する安全な歩行者動線を受け入れる構成を生み出すと同時に敷地北側の立体駐車場からのアクセスを踏まえた利便性が高い日常動線を実現しました。そのような環境であるため、1階住戸は前面通りとレベル差や距離を設け、歩行者からの視線に対するプライバシーを確保した開放的なテラスを配置しています。テラスは、花台や有孔ブロックを利用した歩行者の視線に映える沿道景観の要素という役割もあります。本物件は、豊四季台団地の開放的な居住環境を存分に取り込みながら都市的な存在感を示し、新しいまちなみの基本となった計画です。