Point
首都高速や幹線道路の傍に位置するオフィスビルを共同住宅に1棟まるごとコンバージョンした計画で、住宅が少ない都心に賃貸住宅供給の新たな可能性を示すプロジェクトです。従前は、無彩色でオフィスビル然とした外観であることに加え、経年変化によってさらにぼんやりした存在感がある建物でした。そこで、住宅らしい表情をつくるため、既存のカーテンウォールを活かした立面デザインとYR系の差し色を取り入れた外壁の塗装により新しい存在感を与えています。また、都市に暮らす新しいライフスタイルを求める人びとをターゲットにした住宅を目指し、共用部も住戸内もスタイリッシュでありながら、住宅としての落ち着きを両立することを意識しました。エントランスと店舗で構成する1階は、アルミを多用した玄関口として、タイル等と合わせて都心の住まいらしいスタイリッシュに仕上げました。2~6階は、住宅となるため、アプローチとなる共用廊下も、タイルカーペットやインターホンパネルのデザイン、照明の操作によって落ち着いた雰囲気を演出しています。住戸は、限られた面積のなかで小さいながらもコンセプトを明快に表明する4つのプランタイプを準備し、今日的な都市居住を実現する新しい住宅が実現しました。